【インタビュー】中国で爆発的人気の三国志テーマの攻城掠地、担当者は何しに日本へ?

中国と日本の良いとこ取り。
すでに多くの反響があるその理由とは?
日本大好きな担当者が語る成功の鍵と心得

 

傲世辣椒(ごうせいらしょう)が運営する「攻城掠地(こうじょうりゃくち)」は、三国志をテーマとしたブラウザ向けシミュレーションゲームだ。会社自体まだ日本に進出して一年半だが、中国で爆発的にヒットしたタイトルでもあり、日本でもユーザー数は右肩上がり。今回無料ゲームクラブでは、日本を愛してやまない台湾出身の取締役の林桂槐(リン ケイカイ)氏(以下林氏)、国際事業部部長の胡滋仁(コ シジン)氏(以下胡氏)に、ゲームの楽しみ方だけでなく、日本進出の理由や、週末のお出かけスポットなども聞いてみた。

 

ゲームといえば日本

 

──昨年一月に設立されたばかりですが、簡単に沿革について教えてください。

胡氏:台湾のゲーム開発・運営会社、「紅心辣椒(カイエンテック)」の子会社として、日本で事業展開を行なうことを目的に、中国のゲーム開発会社「傲世堂(ごうせいどう)」と共同出資し設立されました。以前からコーエーテクモさんとお付き合いさせていただいており、信長の野望、大航海時代などの人気ゲームの運営にも携わっています。


──なぜ日本を選んだのですか?

胡氏:紅心辣椒の会長がゲーマー出身ということもあり、やはりゲームであれば日本ということで。攻城掠地は中国では非常に人気があるタイトルで、日本でも三国志は知られているので、よい機会だと思っています。


──現状はいかがでしょうか?

胡氏:中国でヒットしているタイトルとはいえ、ゲーム性やグラフィックとの相性など、日本ではどうなるか不安でしたが、予想以上の反響をいただき正直ビックリしています。これまでは上出来だと思います。

 

「国戦」の追求が鍵

 

──攻城掠地はどのようなゲームなのですか?

胡氏:三国志をテーマとしたシミュレーションゲームです。中国の要素は少し強めに入っています。ストーリー性よりも、競争性を強調したゲームです。最も売りにしているのは「国戦」です。三国志なので3つの勢力があって、ゲーム開始時にユーザーが選択し、そこから敵の城を攻略するのがこのゲームのコアな部分。とはいえ、たとえば競争が嫌いだとか、自分で好きなようにプレイしたいというユーザーに対しては、マップ形式でひとつずつ前進しながらレベルアップして、自分のキャラクターも強化するというストーリーモードもあります。


──オートプレイも可能ですか?

胡氏:はい。オートプレイは主に戦闘中のモードで可能となります。なお戦闘中はカードバトル形式で、突撃、攻撃、防御と3つの攻撃戦術を選べます。その選択に関しては15秒の制限がありますが、何も選択しないとランダムで選択されるかたちですね。


──中国で人気のタイトルですが、どのような部分が支持されているのでしょうか?

胡氏:ゲーム性がユーザーに受け入れられている点だと思います。ユーザーが時間をかけてやり込んで、敵の国を攻略するという達成感こそ、ユーザーにとっては満足感が高いところですね。


──それは日本でも同じなのでしょうか?

胡氏:そうですね。そのような印象はあります。なお新規ユーザーはそこまで多くないものの、継続率が非常にいいというデータも出ています。


──それ以外の部分でおもしろさを感じられる部分はありますか?

胡氏:ブラウザゲームなので、いかにユーザーを飽きさせないかが課題です。そのためにもゲーム内のイベントは日々続けられるようにしています。新しいイベントをどんどん追加していけば、ユーザーは毎日やることが出てきます。それに対して報酬も確実にありますし、ユーザーにブランクを感じさせないゲームです。そういった部分も特徴のひとつですね。

 

写真③

ワールドマップには247城、3蛮族城があり、自由に軍隊を指揮しながら移動、攻撃することが可能な国戦システム。

写真④

写真⑤

ほかにも計略システムや、戦術システムなど楽しみ方は多彩だ。

 

こだわりの強い日本のユーザーに向けた開発

 

──日本のユーザーと中国のユーザーには違いを感じていますか?

胡氏:まだ日本でサービスを開始してから数ヶ月しか経っていませんが、それは感じますね。こだわっている部分が全く違います。たとえば中国のユーザーはゲームを進めていって、自分で何かをもらえば些細なことは気にしません。逆に日本のユーザーはこだわりが非常に強く、たとえばホームページのレイアウトひとつをとっても、細かい部分に関して様々な指摘がありました。あとはゲームバランスを重視している点です。中国のユーザーはゲームをスムーズに進められれば特に何も言いませんが、日本のユーザーは修正すべき点やそうでない点に関して、かなり細かな問い合わせをいただきます。


──実際にそのような声に対応できていますか?

胡氏:データを収集して検討後になるべく反映させるようにしていますが、現状では特に支障もなく対応できていると思います。今後も継続率の部分に重点を置いて運営していくつもりです。


──サービスを開始するにあたって、苦労した部分はありますか?

胡氏:プロモーションですね。台湾で経験はありましたが、日本では何もかも新しく、人脈もないですし非常にハードルが高かったです。ブラウザゲームなので、プラットフォームが最初の問題でした。知名度のないゲーム会社で知名度のないタイトルということもあり苦労しましたね。結局OCゲームスという自社運営のプラットフォームをつくって、そこでリリースしています。

写真⑥

 

日本のユーザーが求めることを第一に


──今後決まっているアップデートなどありますか?

胡氏:現在まず毎月約2回のアップデートを実施していします。その都度ユーザーからの反響に合わせてスペシャルコンテンツなども追加していく予定です。アンケートも実施しているので、意見を収集してから要望などに応えていきたいと思っています。


──今後の日本での展開についてはどうお考えですか?

胡氏:まず、このゲームの核でもある国戦というシステムを、もっと楽しめるようなものにしていきたいです。はじめて日本で運営しているタイトルなので、このタイトルを基礎にして経験を積んでいき、今後リリース予定のタイトルにも学んだことを活かしていきたいと思っています。最終的には、中国のゲームのおもしろさを日本のユーザーにも感じていただきながら、日本のユーザーが求めているものにアレンジして、素晴らしい作品に仕上げていくことが大切だと思っています。


──今後リリース予定のタイトルは決まっているんですか?

胡氏:今後はモバイルゲームをリリース予定です。今年の下半期、2本のタイトルで考えています。何よりもユーザーから求められていることを考慮しつつ、タイトルも選んでいければなと思います。

写真⑦

写真⑧

イベントは続々追加予定です、中国で培った経験や日本のユーザーからの意見などをアレンジしながら運営していきたいと語る。

番外編:日本について聞いてみました。


休みの日は人が集まるあの場所へ……


──日本には一緒に来られたんですか?

胡氏:そうですね。会社の準備期間から一緒です。昨年の7月から移住しています。その前は準備期間で行ったり来たりで。現在は東京に住んでいます。


──休みの日はどこに行くんですか?

胡氏:日本が大好きなので、いろいろなところに行きますよ。


──一緒に出かけるんですか?

胡氏:一緒ではないですね(笑)。


──最近はどこかへ行きましたか?

林氏:わたしは最近だと川越とかですね。今後はもっと遠いところへ行きたいです。日光や箱根にも泊まりで行きました。

胡氏:中野とか新宿にはよく行きます。秋葉原は高いので(笑)


──そこで何をするんですか?

胡氏:ゲームが好きなので、ゲームセンターで戦国大戦や音楽ゲームなどをやったりします。また、研究目的のためにこれが受ける理由は何だろうなとか、わたしたちの運営するタイトルに活かせる要素はないのかなど、いろいろ考えながらやっています。やはり日本に住んでいるので、日本人はいつ、何をして、どんなことを考えているのか感じることが大切です。


──不便を感じることはありますか?

胡氏:言葉の部分はOKですが、交通システムもバスや地下鉄を利用しているので不便を感じたことはないですね。ひとつあえて挙げるとしたら税金ですね(笑)。

 

★インタビューを終えて

林氏、胡氏ともに非常に親切にインタビューに応じていただいた。

ゲームはもちろん、日本への思いなども聞かせていただき、非常に勉強熱心な姿勢が印象的だった。無料ゲームクラブとしても今後の動向に注目していきたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です