【インタビュー】ユーザーの理想郷はここにあり! 間もなく10周年を迎える名作「Master of Epic」の運営者はクールな頑固者!?
記念すべき10周年を迎える今だからこそ、その魅力に迫る
多くのユーザーから親しまれている名作には究極の理想があった──
ウィローエンターテイメントが運営する、ファンタジーMMORPG「Master of Epic」(以下MoE)。もともとハドソンで開発され、今年で10周年を迎えるオンラインゲームの名作だ。今回無料ゲームクラブでは、記念イベントを控える中、運営者である経営企画室DCPマネージャーの藤原一人氏に、どのような思いでそのときを待っているのか、そしてゲームに注ぐその愛情について等々、いろいろと突っ込んで聞いてみた。
藤原一人
経営企画室DCPマネージャー
Master of Epic にはハドソン時代から運営に携わっている
口コミで広がってきたゲーム
− 今年で誕生10周年を迎えますね。
藤原氏:MoEは、もともとハドソンさんで運営していたゲームですが、私もその頃から携わっていました。ただ一番最初からではなく、正式サービスがはじまる前のβテストの段階からですね。カスタマーサポートから入って、その後GMという立場で携わってきました。
− 開発には途中から携わってきたのですか?
藤原氏:最初はユーザーとしてプレイしていた経験はありますが、開発に関しては素人からのスタートで、一緒に移動してきたメンバーと解析から含めてアップデートできるようになるまで必至になってやってきました。
− 最初は大変だったと思います。
藤原氏:そうですね。今では2、3週間でできるような作業を、ふたりがかりで2、3カ月ぐらいかけてやっていました。試行錯誤の繰り返しでした。
− 2007年から3年連続でベストゲーム賞を受賞していますが、なぜ受賞できたと思いますか。
藤原氏:MoEは月額課金制からアイテム課金制に変わったため、無料で遊べる範囲が他に比べて多かったというのと、MoE自体がわりとネットで人気が出ていたゲームでした。口コミで広がっていったというのが大きくて、そのような投票に参加するユーザーに認知度が高かったのだと思います。
自分の成長を実感できる
− やりこみ要素があるゲームだと思いますが、実際どのような楽しみ方がありますか?
藤原氏:たくさんあると思います。たとえば、自分がしたい組み合わせのキャラクターを複数つくる人が多かったりしますね。皆で戦闘に行こうといえば戦闘用のキャラに変えたりとか。普段喋るだけならネタっぽいキャラに変えてみたりとか。あとは、やはりユーザーとワイワイ楽しむのがオススメです。ユーザー主体のツアーみたいなものも開催されてますが、それに参加するのも楽しいと思います。
− 長くプレイされるユーザーが多いのですか?
藤原氏:どちらかというと、コアタイムに集まる方が多いですね。イベントのときとか。ただ、一回の利用時間は長いです。
− 人気のイベントは何ですか?
藤原氏:公式のストーリーイベントとかですかね。
− 具体的にどのようなイベントですか?
藤原氏:MoEのなかにいるキャラクターの過去の話であったりとか、そういうキャラクターに合わせたストーリーイベントを開催すると、ユーザーさんからの評判もいいですね。あとは、毎月末に開催しているバザールですね。毎回GMが出てきて、しゃべったりとかしています。ただ、バザールのメインはあくまでもユーザーさんなので、GMはそのサポートをします。
− MoEは、その世界観にこだわりがあると思いました。ゲームのテーマとして「自分なりの楽しみ方を見つける」というのがあります。このテーマにした理由を教えてください。
藤原氏:自由度が高いというのを謳っていますが、完全スキル制のゲームとして、たとえば、レベルではなく泳いでいたらどんどん泳ぎのスキルが上がって速くなるとか、料理だけやると料理スキルが上がるとか。自分のやってきたことがそのまま成長というかたちで変化していくので、そこが一番の魅力だと思います。そういう意味で好きなことをやってもらいたいというのがテーマのひとつとしてあります。
たとえば戦闘しながら料理したりとか。あとはガチガチのタンク系のキャラなのに回復魔法が使えたりとか。そういったちょっとしたおもしろいこと、ほかのゲームではできないようなことを楽しめると思います。
− それはたとえばご自身のゲーム開発の経験で、こうした方がいいのかなというのがあったのですか?
藤原氏:もともとのコンセプト自体は、ハドソンでの開発段階から引き継いだもので、そこについてきていただいたユーザーさんがいるので、本当にありがたいです。その気持ちを忘れずに、コンセプトを踏襲して開発に臨んでいます。
MoEでは、スキルだけで59種類、その組み合わせで200以上の職業がある。藤原氏は「職業の枠にとらわれない構成も全然多いです。むしろそっちの方がおもしろい場合もある」という。
なりたい自分になってほしい
− 理想の楽しみ方、たとえばこうすれば楽しく遊べるよというのはありますか?
藤原氏:もちろん何でもできるし、ひとりでも楽しめます。一番大きいのは、たとえば生産系だと、ユーザーさんに対してアイテムを売るだけで生活が成り立つとかですかね。あとゲーム内の職業で、理容というのがありますが、理容師として毎日同じ時間に営業して、ユーザーが列を並べるとか。そこで髪型を変えてもらったりとか。そういうところでユーザーさんに楽しんでもらっています。
− 自分のやりたいことができるということですか?
藤原氏:そうですね。逆に初心者の方によく言われるのが、何をしたいか分からないということです。何でもできるからこそ、こうしろという道筋がなくて。どういう風にやるかはユーザーさん次第なんです。
− 自分で決断する。こうすれば楽しいからこうするとか。
藤原氏:そこさえ乗り越えてしまえば、ずっと楽しめるようなゲームだと思います。
− ところで、ゲーム内で“ボク”という一人称を使っていますが、これは理想の自分になれる、なるということで、ユーザーにどのような影響があると思いますか?
藤原氏:結局は、なりたい自分になれるということだと思います。ゲーム画面では、ひとりでコソコソといった感じですけど、ゲーム内でははっちゃけちゃう。そういった隠れた自分を出せる。それはオンラインゲームのひとつの楽しみ方ではあると思います。
− では、MoEで理想の自分になるために必要な要素は何だと思いますか?
藤原氏:MoEのアバターはかなり多く、同じ姿をしている人がひとりとしていません。千人いたら千通りの格好があったり、そういう個性を出すのが必要だと思います。ほかのゲームでは考えられないですからね。理想の自分になるための楽しみ方は無限大です。
− 実際に理想のゲームにできていると思いますか?
藤原氏:まだまだ全然ですね。アップデートだったり、ユーザーさんを楽しませるということに関しては、全然足りないなと思っています。
− 藤原さんにとってMoEとは何ですか? 理想のかたちとは?
藤原氏:人生の3分の1ぐらい関わっていますので、娘みたいなものです。心がけているのは、一度離れているユーザーさんに対して、いつか戻ってきてもらえるようなゲームにしていきたいですね。
− 実際に戻ってくる人もいますか?
藤原氏:キャラクターの上限や、スキル制というところで、その数値に達してから特に大きな差は生まれないので、過去のキャラクターをもってくればそのまますぐに遊びにいけると思います。皆さん、やっぱりここが落ち着くというようなかたちで戻ってきていただいてます。10年以上続いているゲームですので、子どもと一緒にプレイできるようなゲームになればいいと思います。
− 今後MoEをどのように育てていきたいですか?
藤原氏:今後も引き続きアップデートはやっていきたいとは思っていますが、あとは対人コンテンツもあるので、そちらも手つかずの時期が長かったので、今後手を入れていきたいなと思っています。
− 直近でアップデートの予定は?
藤原氏:ゴールデンウィーク前に新マップの実装を予定しています。5月16日で10周年ですが、イベントの細かい内容については未定です。もちろん、アップデートだったり、GMイベントだったり、盛り上げていく予定です。
クレームもありますが、それはこのゲームを愛してくれているということなので非常にありがたいと藤原氏。また、国産のゲームであり、社内で開発できるので、ユーザーの声はすぐに反映できるのだ。
インタビューに同席していただいた、常務取締役の高山和樹氏に藤原さん自身について聞いてみた!
高山氏:クールな頑固です。普段は無口で喋らないけど、仕事が終わると明るくなるんですよ。仕事中は一番マジメですね。でも変わってますよ。そして……私生活が謎ですね。
なるほど……。インタビュー中も淡々と喋る藤原氏でしたが、せっかくの機会です。恐る恐るゲーム以外のことを聞いてみると……。
− 好きなゲームは何ですか?
藤原氏:RPGはFFやDQといった王道系以外はあまりやってないですね、子供の頃はロックマンやボンバーマン等のアクション系が好きでしたね。
※ボンバーマンオンラインがMoEの元となったゲームを知るきっかけなのでボンバーマンは好きです。
− 趣味はありますか?
藤原氏:……MoEを作ることですかね(笑)。
− 休みの日は何をしているのですか?
藤原氏:……ゲームのことばかり考えていますね。休日は洗濯して終わります(笑)。
− 好きな俳優さんとか女優さんとか?
藤原氏:……あまり芸能人に興味がないですね。
− 好きな漫画は?
藤原氏:ジャンプ系は見ます。今でもジャンプだけは買っています。
インタビューを終えて
一生懸命考えながらも、きちんと答えていただいた藤原さん、ありがとうございました!寡黙な印象が強い藤原さんでしたが、MoEについては、「娘みたいなものです」と、愛のある言葉でゲームへの思いを語ってくれたとおり、誰よりもMoEが好きなのだと思います。
間もなく10周年を迎えるMoE。オンラインゲームのなかではまさにロングセラーといえる名作。様々なイベントも開催予定なので、久しぶりの方も、初心者の方も、ぜひ参加してほしいと思います。
【インタビュー】ユーザーの理想郷はここにあり! 間もなく10周年を迎える名作「Master of Epic」の運営者はクールな頑固者!?
記念すべき10周年を迎える今だからこそ、その魅力に迫る
多くのユーザーから親しまれている名作には究極...無料ゲームクラブさんの投稿 2016年4月20日
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— 無料ゲームクラブ (@freegameclub) 2016年4月20日