Mardi Gras Mayhem
Mardi Gras Mayhem
男は女の尻に敷かれ、更に尻を蹴られる生き物
個人的な話だが、こないだ米国人女性と結婚しかけた。小生がいた米国北部で挙式するため、南部に住む彼女を呼び寄せた。もちろん、航空券やらその他諸々の費用は小生が支払った。式の司祭も手配し準備万端だったが、挙式前夜に「やっぱり、やめよう」と新婦(となるべき相手)から衝撃の告白。不条理だ。
「Mardi Gras Mayhem(マルディグラの騒乱)」というゲームをやってみて、そんな苦い逸話を思い出した。ゲームのストーリーが、男女間の不条理を描いたものだからだ。
さて、本題に移ろう。
馴染みのない人のために解説すると、「マルディグラ」と米国最大のお祭りだ。初春に南部で開かれる。「マルディグラ」と聞けば、大抵の米国人は「仮装」「パレード」「酒」そして「おっぱい」を思い浮かべる(多分ね)。ワクワクせざるをえない。特にニューオーリンズの繁華街が賑わい、建物上階のバルコニーからは派手なビーズのネックレスやらその他諸々、チープなアクセサリーが通行人に投げられる。みんな派手に呑み、お姉さんが酔っておっぱいを出していたり、路地裏を覗けば酔っぱらいが吐いていたりするのだ。
しかし、ゲロとかは嫌だけど、それをテーマにしたゲームとは、楽しそうではないか。しかしイントロのイラストでも説明されるが、本ゲームのストーリーは次のようなもの。単純に楽しそうとは言えないかも。
ディックがジェーンとマルディグラのパレードを見に行き、そこでプロポーズするが結果はノー。しかし何か思いついた様子のジェーンは、「50万ドル集めれば結婚オーケー」とディックに提案する。この時点で男女間の不条理が表出しているが、このためにどうするか。ジェーンがディックの尻を蹴飛ばし、その勢いでストリート飛び出たディックが50万ドル分のビーズを集めるのだ。不条理の極みである。
50万ドルといったら北朝鮮の貨幣で言えば6600万ウォン、日本で言えば4100万円(いずれも3月12日現在のレートによる)。かなりの大金だが、男というアホな生き物は、それを目指してしまうのだ。
ディックを力いっぱい蹴飛ばせ。そして50万ドル集めろ
実際にやってみよう。
まず最初に、ジェーンがディックの尻を蹴飛ばす(スペースキーを押す)。続いて、プレーヤーはストリートに飛び出たディックを、上下左右の矢印キーで操作。通りがかりの仮装した人々にぶつかったり、ビーズをゲットしたりすると、キャッシュが貯まるというわけだ。
ディックは蹴飛ばされた勢いでストリートを進み、やがて失速する。従って、全身全霊を傾けて(変動するパワーゲージが最大になったところで)彼の尻を蹴るべきだ。
ディックは通行人にぶつかると、小さく跳び上がる(そしてキャッシュもゲットできる)。このタイミングで上矢印のキーを押すと、通行人を踏み台にしてもっと高く跳び上がることができ、こうして宙に浮いたビーズやその他アイテムをゲットできる。
ちなみに、途中で黒猫やパンツ、ブラジャー、ウイスキーのボトル、そしてマルディグラ名物のゲロ等も現れる。風船をゲットすると跳躍力が高まるのでオーケーだが、それ以外に関しては「お、ウイスキー♪」といった感じで取ってはいけない。実はそれらは「リサイクルしたウイスキー」であったり「臭いTバック」であったりと、殆どがマイナスアイテムだからだ。ちなみに下の画像はアイテムの例。
くっだらねぇ。でもハマった。
矢印キーとスペースキーのみの使用で、複雑な操作は無し。何回やっても難易度は変わらない。でも、ハマった。その要因は・・・
・前述のようなストーリーがあり、テーマがバカバカしい。
・如何にして高く跳ぶか、という少しだけ難しい要素がある。
・おバカでシュールなイラストがいい。
・現実世界の不条理と重ね合わせられる。
・マルディグラの楽しい雰囲気をうまく反映している。
あたりだろうか。簡単に言ってしまえば、全体的におバカな感じが楽しいのである。
ちなみに、1回のプレーに要する時間は30秒ほどか。いくら稼いだかコンピューターに記憶されているので、細切れの時間にちょっとずつできるもグー。
小生は現時点で200回プレーし、12万ドル貯まった。繰り返すが、200回で計12万ドルである。50万ドルは遠い。しかしジェーンに蹴られ続けるディックが可哀想でならない。実際に200回も蹴られたら、尻内出血、尻複雑骨折、尻挫傷なんかで死んでしまいそうだ。不条理に遭遇した時、自分が世界で一番不幸な人間だと思ってしまいがちだが、ディックに比べればまだまだ恵まれているのかも・・・。